「東京プロムナード・フィルハーモニカー」名称の由来と成立ち
音楽監督 佐 藤 迪
「東京プロムナード・フィルハーモニカー」の「名称の由来」と「成立ち」に付いて述べます。
私は芸大打楽器科を卒業後、打楽器奏者・ティンパニ奏者として第一線で活動をしておりました。1978年からはアマチュアオーケストラの指導という形で指揮活動を始めました。
打楽器奏者として活動する中で「音楽の考え方・方向性が合う演奏家」や「音楽をお互いに認め合える仲間」が沢山出来ました。その様な「気心が知れた仲間」を中心に1989年6月にプロのオーケストラを組織しプロ指揮者としての活動を開始しました。そのオーケストラの名称を「東京プロムナード・オーケストラ」(略称TPO)と名付けました。
打楽器奏者としての仕事の傍らTPOはスクール・コンサートやイベント出演等を重ね活動を拡げて行きましたが、当時私の音楽を評価して色々と支援して頂いていた「板橋正博」さんに「指揮者として本格的に活動を始めたら!!」と薦められ、1994年12月、このオーケストラと共に正式に指揮者としてのデビュー・リサイタル「モーツァルトの夕べ」を開催する事になりました。同時に「佐藤迪の音楽活動を支援する会」として板橋さんを中心に『東京プロムナード協会』が設立されました。
この間そしてその後も多数のアマチュアオーケストラと関わる中で沢山の素晴らしいアマチュア演奏家の方々と出合いましたが、私の中に「私の考える音楽を良く解って下さる方々と一緒に音楽出来る場が欲しい」という夢が膨らんできました。そしてそのオーケストラが出来たら、「プロムナード」(私の指揮活動のキー・ワード)と「フィルハーモニー」(仲間が集う)を合わせて「東京プロムナード・フィルハーモニカー」(略称TPP)という名称にしたいと考える様になりました。TPOのアマチュア版という訳です。
その様な中2007年1月に板橋さんからも「そろそろ自分の音楽が出来るオケを創ったら!!」という助言が有り準備に入り、私の音楽に共感して下さるアマチュアの演奏家の皆さんにTPPの設立を目指している事を伝え「一緒に音楽しませんか?」と参加の呼びかけを始めました。2008年その夢が実現する事になり9月に結成、そして2009年2月に第1回定期演奏会を迎える事となりました。
「プロムナード」という言葉は「散歩」という意味ですが、昔NHKのクラシック音楽番組で「プロムナードコンサート」いう番組が有り「気軽にクラシック音楽を楽しむ」がコンセプトの番組でした。この番組の様にクラシック音楽は堅苦しい物ではなく、素直に「音を楽しむ」事が一番大切だと思います。音楽の理論や歴史の事は興味の有る人が勉強すれば良い事で「純粋に音楽そのものを肌で感じる」それで良いと思います。その様な意味で「プロムナード」を私の音楽のキーワードとして使用しています。